目をあけた。
身に覚えのない天井が見える。
あ、そうだ。
浪人したんだった。
昨年度、志望校に落ちたことで
予備校という監獄に懲役1年の実刑をくらった。
あれはひどい一年だった。
刑務所と同じ生活だった。
朝、聞きたくもない寮長の声の放送で、起床する。
朝ご飯をたべる。
意味もない授業を受けに予備校に向かう。
内職をしている人もいれば、寝ている人もいる。
門限は4時。小学生並みだ。
冷蔵庫もトイレもお風呂も共同で、ジャイアンみたいなやつもいる。
あんな生活でよく勉強していたものだ。
去年、一階の窓から夜に脱走した人がいたらしい。
一階の窓には鉄格子が設置されていた。ここは刑務所なのか。
驚くのは、そんな生活を数年している人がいることである。
心の底から尊敬する。
高校の進路指導の先生は、大学がどんだけ楽しくて、素晴らしいところか
毎回体育館で話していたが、それは
文系の且つ
私立且つ
都会に立地
と限られた条件のみ発動することは
このときは知る由もない。
To Be Continued